水害の恐ろしさ、ずっと記憶に――。日高川町小熊の町防災センターで、紀州大水害(7・18水害)発生から66年を前に「水害写真展」が開催されている。8年前の9月に甚大な被害を及ぼした台風12号による紀伊半島大水害と合わせ、流された家屋や冠水した道路など水害の恐ろしさを生々しく伝える写真約140点を展示。当時の新聞、資料、被災者の体験記なども並べられており、同センターでは「いま水害が懸念される時期。この機会にぜひご覧になって、防災意識を高めてほしい」と呼びかけている。

 紀州大水害は1953年7月17日から18日、紀伊半島大水害は2011年9月3日から4日にかけて発生し、ともに町内では甚大な被害があった。

 紀州大水害のコーナーは施設ホール入り口から向かって左側に設置。濁流の日高川や屋根だけ残して水没した民家、水が引いた後のがれきの山などの写真が並んでいる。「私の体験記」として、被災者の当時の恐怖体験も出展され、誰でも自由に読むことができる。

 ホール中央部の紀伊半島大水害の写真では、皆瀬の美山郵便局付近の越流、松瀬や平川、和佐の冠水の様子を写した写真がずらり。水害発生当時と、平時の穏やかな風景の写真をセットにし、来場者に防災意識の高揚を訴えかけている。

 和佐で生まれ育った80歳女性は「紀州大水害当時は14歳でした。あの時、自宅にも水が押し寄せてきて、2階の屋根から舟に乗せてもらって助けられました。本当に怖かった」と振り返り、「写真を見ると、記憶がよみがえってきます。みんなが水害の恐ろしさを忘れないように、写真を見に来てほしい」と話していた。

 展示は9月末まで。平日午前8時半から午後5時15分までの間なら、無料で自由に入場できる。施設ではさまざまな災害発生の仕組みを展示、シアター、模型などで学べるほか、遊び感覚で消火体験や水圧体験に参加できる。

 問い合わせは同センター℡0738―24―9280。

写真=センター職員の話を聞きながら写真を見る来場者