参院選が4日、公示され、和歌山選挙区(改選数1)は、無所属新人で元和歌山弁護士会長の藤井幹雄(58)=立憲・国民・社民各党推薦=、5選を目指す自民党現職で経済産業相の世耕弘成(56)=公明党推薦=の2氏が立候補。与野党一騎打ちの戦いとなり、両候補は和歌山市内で第一声を放ち、21日の投開票まで17日間の舌戦がスタートした。

 藤井陣営は和歌山市山吹丁の選挙事務所で出陣式を行い、支持者ら約200人(主催者発表)が集まった。池田祐輔選対本部長(57)は「知名度は相手候補には遠く及ばないが、我々には戦う体制や準備が整っている。決して悲観することはない。藤井氏を全力で支え、応援するということにはブレはない。17日間の選挙戦が終わった時に、何一つやり残したことがないように頑張ろう」と呼びかけた。

 藤井候補は趣味のトライアスロンのスポーツウエア姿で登場し、マイクを握った。「7年間の安倍政権はうそ、ごまかし、臭いものにふたをし続けてきた。弱きを助け、強きをくじくということのまさに逆。先月からクローズアップされている年金2000万円問題でも逃げの一手。ポスターには『日本の明日を切り開く』と書かれているが、日本の明日を切り売りしているのではないか。安倍政治をストップさせなければいけない」と現政権を批判。選挙戦について「相手候補はきょう、ヘリコプターで飛ぶそうですが、私はこの足、自転車で回ります」と力を込めた。

 連合和歌山青年委員会の上杉貴夫委員長(40)の音頭でガンバローコールを行い、スポーツバイク(自転車)に乗って街宣に出発した。

 世耕陣営は和歌山市内のJR和歌山駅前で出陣式を行い、支持者ら約1000人(主催者発表)が詰め掛けた。選挙対策本部長の鶴保庸介参議院議員、門博文衆議院議員、仁坂吉伸知事、自民党県連幹事長の吉井和視県議、公明党県本部代表の多田純一県議が「世耕先生への恩返しを」などとし、共闘を誓った。

 マイクを手にした世耕候補は、「政治の安定をこのまま続けるのか、再び混乱に戻すのか。そのことが問われる選挙」とし、自身が安倍政権下で6年半、官房副長官や経産相を務めてきたことや、有効求人倍率アップ、G20大阪サミットの成果を強調。初当選から21年間にわたる支持者の応援に感謝したうえで、「中小企業活性化や農林水産物海外輸出の促進などいろいろ前向きにやりたいことはあるが、一つだけ申し上げる。それは若者が和歌山に帰ってきたくなるような未来志向の仕事をつくること。第4次産業革命の自動運転、ドローン、IoT、人工知能などを組み合わせた新しいビジネスを和歌山のような地方でどんどん起こしたい」と決意。最後に「全国得票率トップをとって次のステップを目指したい。自分のためではない。私が力をつけて和歌山により大きな恩返しがしたい」と声を張り上げた。