吹田市の交番前で男性巡査が刃物で刺され、拳銃が奪われた事件を受けて、和歌山県警本部でも対策の強化を進める。御坊署では事件が起きた16日朝、全署員に対して警戒強化や今回と同じような警察官をおびき出す犯行に注意するよう指示。17日には大野矢雄署長が安全対策の強化を呼びかけた。

 16日早朝、吹田市の千里山交番で、26歳の巡査が刃物を持った男に襲われて拳銃を奪われ、警察は強盗殺人未遂の疑いで東京・品川区の飯森裕次郎容疑者(33)を逮捕。襲われた巡査は胸などを刺され、意識不明の重体になっている。

 この事件を受け、県警本部は警察官が1人で勤務している交番や駐在所の統廃合をさらに進めるほか、可能な限り1人で勤務することがないよう調整する方針。課題となっている交番の警備強化について、防犯カメラの整備もさらに加速させていくという。

 御坊署管内には交番が2カ所、駐在所が15カ所あり、勤務する署員は常に耐刃防護衣を着用している。事件発生時は他の交番、駐在所に応援を要請。合同で行動し、複数で対応するよう徹底している。

 大野署長は17日、署員に対して警察官がけがをする受傷事故の未然防止対策を要請。常に警戒意識と緊張感を持つよう呼びかけた。