1面に「平成」と記した本紙が発刊されるのは本日付が最後。改元が明らかになって以来、たびたび「平成最後の」と言いながら振り返ってきたが、それもこれが最後である◆平成年間には昭和と明らかに異なる、時代的特徴がある。携帯電話やインターネットに代表される、情報通信技術の急激な発展と普及だ。昭和の後半にも「情報化社会」と言われてはいたが、質もスケールも今の比ではない◆今やスマホやケータイのない日常など考えられない社会状況だが、いつからこうなってきたのだろうか。調べてみると(こういうことが即座に調べられるのもネット時代の恩恵である)、携帯電話の普及は1990年代後半ごろからで、前半はまだポケベル全盛だった。インターネットの普及は2000年前後からだ◆昭和元年生まれで平成8年に他界した父は、出始めた頃の携帯電話に関心は示していたが、使いたかったわけではなく「そんなものが普及しては、せっかくのんびり釣りに出かけても連絡をつけられてしまう」とブツブツ言っていた。ある意味、「緩み」を許してくれない窮屈な社会の到来への苦言ともいえるかも知れない。情報通信技術の発達自体は歓迎すべき変化だが、それに伴う変化は必ずしも快適なものばかりではなく、新種の犯罪などありがたくない変化も生まれている◆近代で初めて戦争のない時代だった平成だが、2つの大震災など多くの自然災害に見舞われた。この時、活躍したのがSNS。そもそも、代表的な情報通信アプリ「LINE」は、震災発生時に家族や知人の安否を確認できるように開発されたという◆人と人を結ぶのが情報通信技術の本来であり、その方向性を進めたところに次の時代への道しるべはあると思いたい。(里)


