大阪出身で御坊市在住の佐野将徳さん(35)と塩屋町南塩屋の今福嘉紀さん(35)がコンビを組む「御坊に居てます芸人42号線」が、日高地方のイベントを中心に活躍している。ボケ担当で吉本興業のNSC卒業の佐野さんがネタを作り、ツッコミの今福さんと息ぴったりの漫才やコントを披露し、人気上昇中。「多くの人に集まってもらえる芸人になって、御坊を盛り上げたい」とやる気満々だ。

 佐野さんはNSC27期生で、卒業後も数年間、お笑い芸人としてアルバイトしながら頑張っていたが3年前、結婚を機に引退。笑いの道をあきらめ、妻の実家がある御坊へ移住してきた。商店街はシャッターを下ろした店が多く、「なんとか活気を取り戻せないか」と考え、もう一度笑いをやりたい思いも湧いてきて「お笑いで御坊を元気にしたい」と職場の同僚の今福さんにコンビ結成を相談。今福さんはお笑いの経験はなかったが、快諾してコンビが誕生。御坊を通る国道からコンビ名を取った。

 本格的に活動し始めたのは1年前。2人とも結婚して子どもがいるため、家庭には迷惑をかけないようにと、仕事や子育てがひと段落した夜中に日高港湾に集合してネタ合わせするなど努力を重ねている。テンポのいいしゃべりと、御坊弁やご当地ネタを取り入れた漫才は少しずつ評判になり、団体の会合やイベント等への出演依頼も増えてきた。「まだまだ未熟なので、自分たちの形を作っていきたい」と笑いに対してひたむきで、「人を見たけりゃ御坊祭、笑いみたけりゃ42号線といわれるようになりたい」と笑う。

 トレードマークのえんじ色の衣装を作り、名刺には御坊出身の画家に描いてもらったイラストを入れるなど、地元愛がいっぱい。「御坊が大好きなので、M1で優勝しても東京には行きません。御坊で頑張ります」とし、「この前もイベントの司会者に『18㍍道路さん』と呼ばれました。まずは顔と名前を覚えてもらえるように、どんな仕事もこなしていきたい。いつかは御坊で単独ライブをやりたいし、将来は御坊市民栄誉賞をもらえるような芸人になりたい」と張り切っている。

写真=テンポのいいしゃべりで笑いを誘う佐野さん㊨と今福さん