サッカー好きの人に「あのボール回しはどう思う?」と聞くと、「日本の試合だったから騒ぎになったが、W杯では似たようなことがよくある」と、大した出来事ととらえていなかった。日本代表は前評判を覆して決勝トーナメントに進出。1回戦では強豪・ベルギーに敗れたものの、2点を先制するなどの大健闘を見せ、日本中をわかせた。結果的に評価される部分が多いようだが、個人的には冒頭のボール回しが引っかかり、すっきりとしない幕切れだった。

 スポーツ報知が行ったボール回しで時間を稼いだ西野采配の是非を問う緊急アンケートでは「納得」が68%と3分の2を占めた。「納得できない」は16%。でもこの数字、日本が決勝トーナメント進出を決めたからこうなったが、決められなかったら全く逆の結果になっていたと予想される。日本が逆の立場だったらどう思うかも考えてみよう。結果しだいで変わる評価は本当の評価といいにくい。

 ポーランド戦。0―1とリードされ、日本代表は困難に陥っていた。この窮地で「他力」に頼る博打ではなく、自分たちの力を信じて向かっていってほしかったというのが本音。困難に打ち勝つ、それこそが本当の素晴らしい経験だと考える。1点追加されても取り返せばいい。正直、「逃げる」よりそんな気概が見たかった。

 ルールの範囲だからとか、可能性の高い方を選ぶのは当然など、さまざまな意見はあってしかり。とにかく次は「どんな状況でも、勝利のため、またひとつのゴールのために、最後まで全力を尽くしてプレーする」「フェアプレーの精神を理解し、あらゆる面でフェアな行動を心がける」(JFAサッカー行動規範より)を期待する。(賀)