由良町在住の筆者は、毎日、由良湾周辺の道路を車で走って通勤している。周辺の町民なら誰もが知っているが、由良湾には海上自衛隊の由良基地があり、沖にはよく潜水艦が来ている。以前取材した際、修理を終えた潜水艦がテスト航行の途中で寄航しているとのこと。潜水艦だけでなく、たまに掃海艇なども停泊している。また湾内には造船所もあり、「さんふらわあ」など有名な船をはじめ全長300㍍級のタンカーも修理などのために来ている。長さはもとより、近くで見るとビルのようにそびえる高さにも驚かされる。
 ただ周辺に住む町民にとってはいずれも日常的な光景だ。特に珍しさもなく、潜水艦が視界に入ってもあえて注視することもないだろう。ただ休日などは大阪や神戸、奈良などのナンバーの車やバイクが訪れ、写真撮影をしている様子をよく見かける。町民にとって当たり前の景色も、外から来る人にとってはその町の魅力に感じるのだろう。
 日高川町は桃山学院大学と県の「大学のふるさと」協定を締結した。これまでも学生が町で農業体験などをすることはあったが、今後はさらに回数を増やし、体験や学習の幅を広げていくという。学生が来ることによっての経済効果などもあると思うが、期待したいのは学生ならではのアイデアを生かした地域活性化だ。
 SNSを生かした方法など学生の得意な分野でのアイデアに加え、町外の人から見た町民では気づきにくい新しい町の魅力が発見できるかもしれない。短期間の滞在で地域を活性化させるアイデアが簡単に出るとは思わないが、学生らのユニークな発想は何かのきっかけにはなるだろう。今後の大学と町との交流に期待したい。   (城)