メタンハイドレートや海洋生物など海をテーマにした研究や教育に本年度から力を入れている和高専(角田範義校長)は27日、三重県鳥羽市の鳥羽商船高専と「包括連携協定」を締結した。工業高専と商船高専が協定を結ぶのは全国初。今後は商船高専所有の練習船「鳥羽丸」を活用した海洋の学術研究調査や学生の交流、災害時の相互協力など「紀伊半島・海洋・KOSENプロジェクト(海プロジェクト)」として展開していく。
第1弾の交流として、5月8、9日に鳥羽丸が御坊市の日高港に着岸し、市内の小中学生らに体験乗船してもらうなどのイベントを計画している。
全国的に各高専が新しい独自の調査研究を打ち出す中、和高専では海に近い立地条件を生かし、燃える氷と言われるメタンハイドレート、海洋落雷、海洋環境整備、海洋生物のDNA調査などを研究している教諭が多くいることから「海プロジェクト」として本年度から海洋研究に力を入れている。海での調査には船が必要なことから、昨年春ごろに鳥羽商船高専の林祐司校長に連携を打診。鳥羽商船高専としても、商船の操舵技術やメンテナンス技術の指導だけでなく、海洋研究という新たな道を開くことにつながることから、両者の意見が一致。秋ごろから連携が具体化し、今回の協定締結となった。
27日に鳥羽商船高専で調印式が行われ、両校長が協定書にサインし、鳥羽丸の前での記念撮影や船内の見学も行った。協定では、▽教育連携及び共同研究等に伴う学生、教員の交流▽海洋及び関連分野に係る情報資料の提供並びに共同研究▽鳥羽丸を活用した海洋の学術研究調査▽災害時の相互協定――の4点を柱としており、今後は和高専の教諭や学生らが鳥羽丸に乗船して海洋サンプルの採取など調査研究に活用していく。軌道に乗れば、将来的には鳥羽のほか富山、大島(広島県)、広島、弓削(愛媛県)の商船高専5校とも連携した取り組みを進めていきたい考え。同高専では「メタンハイドレートや防災に関することは県、御坊市とも連携し、日高港を拠点にさまざまな取り組みを実践していきたい」と話している。

