球春到来というには少し早いが、ことしはそれが待ち遠しい。なんといっても注目は、日ハムから米大リーグのエンゼルスに移籍した大谷翔平投手(23)がどんなプレーを見せてくれるかだ。
2012年夏、高校生史上初の160㌔をマークした。プロ入り後の16年には1番、投手で先発した試合で初球本塁打の離れ業。さらにクライマックスシリーズでプロ野球最速の165㌔を記録すると、日本シリーズでは第3戦でサヨナラ安打。投手、打者両方で素晴らしい結果を残す「リアル二刀流」を国内では実現させている。
昨年暮れのテレビ特集では、生い立ちから大リーグ挑戦までが詳しく取り上げられていた。花巻東高校時代、選手らが使用する施設には監督や選手が考えたり選んだりした言葉があちこちに掲示されていたという。映し出された言葉には「自由な時間に何をしているかでその人の10年後が決まる」「世界には、きみ以外には誰も歩むことのできない唯一の道がある。その道はどこに行き着くのか、と問うてはならない。ひたすら進め」などがあった。大谷投手はインタビューで「先入観が可能を不可能にする」に感銘を受けたことを紹介。恵まれた才能だけでなく何事にもチャレンジするという強い心を、言葉の力にも後押しされて培ったのだと想像できた。
プロ入りの際、素人目に絶対に無理だと思った二刀流。それを数年でやってのけた23歳の若武者に夢は尽きない。いま、大リーグでもプロ野球でも選手起用が固定され、つまらないと感じることがある。新天地での新たな挑戦は新風を吹き込み野球の盛り上げに一役買うのは間違いがなく、今度は先入観を持たずに応援したい。(賀)

