同公園にはベンチが少ないため、話題となるようなベンチを設置して、少しでも観光客の滞在時間を伸ばすのが目的。ベンチの設置は和歌山市の㈲白樫木材(白樫啓一代表取締役)が行った。白樫木材では、紀州材をPRしようと「アドベンチー」の名称でオリジナルベンチを製造しているが、同公園では日本一の長さになるよう特注で依頼。住宅の通り柱に使う長さ7㍍のヒノキの木材(12㌢角)2本を腰掛け部分と背もたれ部分に使ってステンレス製のフレーム2個で固定しており、安定感もばっちり。木材は「背割り加工」を施しているため、腐食しにくく、強度も保たれる。
 白樫木材では県内各地でアドベンチーの設置を行っており、和歌山市内には長さ6㍍のベンチを設置、日高地方ではJR和佐駅にもある。白崎海洋公園の長さ7㍍は、複数の木を連結させずに1本の木を使ったベンチとしては日本最長。白樫代表取締役は「紀州材を使っているという点では、世界一長いと思う」と話している。また、石川県増穂浦海岸はギネス記録にもなった全長460・9㍍の木製ベンチがあるが、これは複数の木を連結して製作している。
 白崎海洋公園を指定管理している一般社団法人白崎観光プラットフォームの中西剛史代表理事は「アドベンチーの製品を一目見て、木目が白崎に合うと思った。まず1基の設置だが、お客さまの反応を見ながら増設も考えていきたい」と話している。由良町に宿泊し、サイクリングを楽しんでいた大阪の夫婦は早速ベンチに腰を掛け、「見た目はシンプルですが、安定していました」と笑顔をみせていた。