経済産業省は大規模災害で停電しても通常通り給油ができるようにするため、全国のガソリンスタンドに自家発電装置を整備する「住民拠点サービスステーション(SS)事業」を実施している。日高地方でも指定・整備が進められており、南海トラフ地震など大災害発生時の際のスムーズな燃料供給に期待がかかっている。
災害による停電時、発電機のないガソリンスタンドでは通常通りの給油ができなくなる。東日本大震災の際も停電により多くのスタンドが閉鎖。一部の営業可能なスタンドに給油希望者が殺到し、長蛇の列や給油制限の事態が起きた。国では災害時に緊急車両が優先的に給油できるための発電機整備は行ってきたが、昨年4月の熊本地震で多くのガソリンスタンドが停電や在庫不足で営業停止に追い込まれたことを受け、対象を一般車両にも広げた。指定する給油所は、災害時に営業することなどを条件に公募で受け付け、選定。本年度中に約1300件の整備を目指しており、登録されたSSは順次、経済産業省のホームページで公開される。
日高地方の各地でも整備が進められており、日高川町熊野川にある岸本食品(岸本耕一代表取締役)が運営する昭和シェル石油「美山給油所」でもこのほど発電機が配備された。同給油所では5年前の台風12号水害の際、停電により給油が一時停止、リースの発電機を取り寄せたが、作業に約1日かかり、電力も安定しなかったという。災害が再び発生した際、住民へスムーズに燃料を供給できる体制を整えようと同事業に応募した。発電機はすぐに使えるよう給油所内に設置。停電時にはコードをつなぐことで、すべての給油機が使用できるようになり、通常営業が可能。発電機の燃料はガソリンを使用するため、タンクが空になるまで使用でき、ガソリンは平常時の使用量で約半月分の貯蔵がある。岸本代表は「地域住民の皆さんのため、また国道など寸断時に通ると思われる支援物資運搬車両のためにも導入を決めました」と話している。同時期に高津尾の加藤善石油店も指定を受けたほか、由良、印南、みなべのSSも指定されている。

