「自分自身の具体的な目標がない。相手の夢を阻止するのが生きがい。常に何かが起こってから行動。受け身の姿勢。単独~少人数で行動。いつも怒っている」。さて、いったい何を意味しているのだろうか。憲法学者や政治評論家としてテレビでもおなじみの竹田恒泰氏は、前出は「正義の味方」のことと解説していた。ちなみに「悪の組織」は「大きな夢、野望を抱いている。目標達成のために研究開発を怠らない。日々努力を重ね、夢に向かって手を尽くしている。失敗してもへこたれない。組織で行動。よく笑う」と表現。一見、逆のように思えるが、よく文章を読み、内容を理解してみると、「なるほど」。正義の味方も悪くいえばそのように説明できるし、悪の組織についても長所を探せばそう言えなくもない。物事は立場や見方しだいで良くも悪くも変わるものだ。
本紙に掲載されていた、公益財団法人モラロジー研究所が主催する生涯学習セミナーの安田節子さんの講演記事を読んだ。安田さんは妻が畳に置いていたビール瓶を夫が蹴って中身をこぼしてしまったという場面を例に挙げ、「何をやっているの」「なぜ、こんなところに置くんだ」ではなく、「こんなところに置いて悪かったわ」「ぼくも気をつけて通ればよかったね」とやり取りすれば見ている人も心が和むと紹介。利己心を慈悲心に変えることの大切さを強調していた。おのおのの立場、見方で正しいことをしたり言ったりしても、相手からは正義と悪のように別の意味で理解される場合が少なからずある。それが無用な対立を生んでしまう。
どこの家庭でも、安田さんの例のようなことは起こる。特に気忙しい年末。ちょっとした思いやりの心を持って乗り切りたい。 (賀)

