カレンダーと同じく1月にスタートして12月に終わりを迎えるものがある。日曜夜のNHK大河ドラマだ◆ことしの大河、「おんな城主直虎」が先日最終回を迎えた。実は本放送を見逃してしまい、土曜の再放送を録画して見るつもりなのだが、インターネットで反響をみたところほぼすべて称賛の声。視聴率的に今ひとつ振るわなかったことなど取るに足らないと思えるほど、内容への評価は高かった◆8月に、ヒロインの井伊家当主直虎が幼馴染みの筆頭家老を自らの手で刑死させた回でも本欄で感想を書いたが、脚本の森下佳子氏のブレない視点の強さは凄い。全50回、ともすれば焦点がぼやけていきがちな長丁場のドラマが、初回から最終回まで「戦乱の世を雄々しく生き抜きながら戦なき世を願い、次の世代にその願いを託して結実させた女領主」というテーマで貫徹。見事に一つの大きな物語を構築している◆56作目という長い歴史を持つ大河。2年前の「花燃ゆ」も女性が主人公で、吉田松蔭の妹をクローズアップ。意欲作だったが、視聴率は2012年の「平清盛」と並びワースト記録。役者の演技はよかったし丁寧につくられていたが、低視聴率を気にかけてか演出や視点が変わっていくのが気になった。今回の「直虎」はその点、視聴者を必要以上に意識せず書き手の思いを貫く姿勢で書かれた点が非常によかったと思う。それが作品自体の志の高さを感じさせ、クオリティの高さにつながる◆来年は「西郷どん」、その次は東京五輪がテーマの「いだてん」。大河ファンとしても、五輪を日本に呼んだ和田フレッド勇ゆかりの地である当地方住民としても、五輪というこれまでにないテーマがどのように描かれるか実に興味深く、待ち遠しい。      (里)