全国的な美術団体、独立美術協会の第85回独立展で、洋画白玄会会員、阪本聡さん(53)=御坊市藤田町吉田=の作品2点がグランプリ(独立賞)に次ぐ中山賞を受賞した。2009年の新人賞から5度目の入賞となり、昨年のTJ賞(上位7番目)から大きくランクアップ。阪本さんは「賞をいただくことで、日高地方の美術振興に少しでも貢献できれば」と話している。

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  独立美術協会は1926年、佐伯祐三らによっ創立立された歴史ある団体で、美術展には毎年全国から約2000点が寄せられる。正会員は150人。阪本さんは2010年の佳作入賞で準会員となった。現在はみはま支援学校の教頭を務める傍ら、地元の洋画団体白玄会に所属して制作に励んでいる。
 今回受賞した「WORK17―6」「WORK17―7」は2点ともF130号(194×162㌢)の大作で、アクリル樹脂を使った混合技法の抽象画。作品について「世の中のほとんどのものは人の手が加わって作られていますが、時間の流れによって腐食、錆び、剥落、風化などいろんな形で変化していきます。そこにはドラマすら感じられます。そういった、物が内包する『動き』の表現をテーマに取り組んできました。今回は、応募の2点を並べて見た時に調和が感じられるように構成を考えました。自分らしい作品に仕上げられたと思います」と説明。2席に当たる賞の受賞について「大変うれしく思っています。地元で絵をやっている多くの人たちにこうした成果を見てもらい、機運が盛り上がってほしい。4年後には和歌山県で国民文化祭も開かれます。美術が盛んになり、文化的な発展につながっていけばと願っています」と話している。
 第85回独立展は18日から30日まで、東京六本木の国立新美術館で開催される。