日本食が世界で人気だ。訪日外国人の中には「日本で食事を楽しみたい」と旅行の目的の1つにする外国人も多いという。東京や大阪、京都などの観光客が多い都心部では寿司、天ぷらのほか、ラーメン、お好み焼きなどのB級グルメ店でも外国人の姿が多くみられるようになった。 
 和食は新鮮な魚介や野菜などの素材を生かした料理で、器の盛り付けにも趣向を凝らす。季節感を重んじ、見た目がきれいでヘルシーなのが特徴。平成25年12月には世界無形文化遺産に登録された。その和食の代表的な食べ物に当地方特産の梅干しがある。しかし、海外では受け入れられにくく、極端に言ってしまえば罰ゲームに使われるような食べ物となっているのが現状だ。今後は外国人の口に合うような食べ方を考えて提供することが重要だろう。 
 日本一の産地のみなべ町は、梅を外国に売り出そうと力を入れ始めた。国内市場だけではなく、海外にも広げて消費の拡大を図ることが狙い。昨年には中国で開かれたイベント会場でPR展開したり、日本在住の外国人に対してアンケート調査を実施したりした。もちろん、梅が外国で定着して需要が拡大すれば、農業所得の向上が期待されるほか、梅農家の後継者不足問題の解決や地域の活性化などに大きな可能性がある。 
 みなべ町は、来年2月に開催される高校生の梅料理コンテスト「第3回UME―1グルメ甲子園」の出場チームを募集中。過去2回の最優秀賞を受賞した梅料理は町内の宿泊施設のメニューとして販売され、宿泊した外国人にも触れる機会にもなった。世界をうならせるような若者のアイデア料理が登場するかもしれない。ぜひチャレンジしてみてはいかがだろう。      (雄)