アメリカ・テキサス州の州都オースチンのジャパニーズガーデンにかつて咲き誇っていた御坊生まれの舞妃蓮を復活させようと、舞妃蓮保存会の阪本尚生会長(御坊市)が4月に分根した蓮が、現地で花を咲かせた。父の故・祐二氏が1969年に初めて分根してから48年、父子2代にわたる取り組みは順調で、「2020年のオープン50周年記念祭に合わせてたくさん咲いてほしい」と願っている。
 オースチンにある13㌶の広大な敷地を誇るジルカー植物園の中には、和歌山県粉河町(現紀の川市)出身で現地に移住した造園技師の故谷口勇氏が自費を投じて整備したジャパニーズガーデンがある。「イサム・タニグチ日本庭園」とも呼ばれ、69年に完成。同年4月13日には開園式が行われた。谷口氏は、祐二氏が66年に大賀ハスと王子ハス(アメリカキバスの一種)をかけ合わせて誕生させた舞妃蓮という可憐な蓮があることを知り、分根を依頼。祐二氏は快諾し、舞妃蓮と大賀ハスを送り、オープン初年度の8月に見事な大輪を咲かせた。75年ごろまでは毎年咲かせていたが、谷口氏はその後亡くなり、池は残ったが、ハスなどはなくなっていた。
 テキサスに留学経験がある大阪在住の男性を通じて昨年春、ジルカー植物園から「50周年に向けて蓮池を復活させたい」と阪本会長に依頼があり、準備を進めて4月に舞妃蓮と大賀ハスの蓮根3本ずつを発送していた。現地に到着後、早速ハス池に植えられ、葉を茂らすなど順調に生育。池にすむコイやカメに食べられないよう、環境保全担当の博士らが柵で保護するなど献身的に育て、無事花が咲いたと連絡があった。残念ながら開花した写真は送られていないが、オースチン市長からは「オースチン市民は谷口日本庭園50周年記念祭を楽しみにしています。この記念すべき機会に最も花が咲くように、あらかじめハスをお送りくださったことに感謝しています」とのメッセージが届いた。
 阪本会長は、「環境の違う外国での育成は簡単ではないが、無事咲いたとの連絡を受けてうれしい。50周年には池いっぱいに花を咲かせてくれることを願っています」と喜んでいる。御坊市協働事業の補助を受けて作成した英語版の舞妃蓮リーフレット500部も現地に送っており、「御坊生まれの舞妃蓮がアメリカでも広く知られるようになってほしい」と願いを込めて話している。