日高川町の久留米啓史町長は4日の議会全員協議会の中で、国有地の薬草試験場跡地(土生地内)について、「地域包括ケアシステムのために活用したい」と用地購入に向け検討していることを報告。利用に意欲を見せている法人の存在も明らかにし、これまでの方針を一転して取得へ前向きな姿勢を見せた。
薬草試験場跡地は大成中学校の南約300㍍、旧大成中学校グラウンドに隣接する用地で面積は4849平方㍍。2015年12月に地元区が用地確保を求める請願書を議会に提出し、賛成8人、反対3人で採択したが、前町長は「目的のない用地は住民の理解を得られない」と購入しない方針を示し、久留米町長も就任後初の6月議会の一般質問で、同様の回答をしていた。
この日の全協では、まずこれまで試験場所有になっていた土地が国に移管されたこと、国が一般競売にかける前に町に利用の有無を尋ねてきており、10月2日が回答の締め切りになっていることを報告。その上で以前から用地の利用に声を上げていた法人が、具体的なプランを明示してきたことを説明し、「国は2025年をめどに各自治体に地域包括ケアシステムの構築を推進しているが、そのためには拠点となる施設が必要になる。声を上げている法人はその用途にも合っている」とし、「これまで購入しない方針をとっていたが方向転換したい」と述べた。ただ、「国に利用目的を提案して認められなければならず、現時点では100%取得できるというわけではない」と付け加えた。用地の価格については今後提示されるとし、「町がまず取得し、法人に貸して20年や25年程度で回収できれば」と話した。また、用地を法人に貸す場合でも、隣接する旧大成中学校への進入路の拡幅分は町が所有するとした。
議員からは賛成意見が多かったが、「用地を無償提供することにならないか」などと危惧する声も出ていた。

