日高町原谷の熊野古道でササユリ復活を目指すプロジェクトが、再スタートした。2015年11月に地元の有志やボランティア、小学生らがササユリの球根を植栽したが、シカの食害で壊滅的な被害を受け、昨年の取り組みは休止状態となっていた。
 もともと熊野古道に群生していたササユリはイノシシやシカの食害で絶滅したとされており、それを復活させるためには、獣害対策が大きな課題。おととし球根を植えた時には、ワイヤーメッシュを敷いて球根を守り、冬場にイノシシが掘り起こして食べる被害を完全に防ぐことができた。しかし、春を過ぎて新芽が出ると、シカがそれを食べてしまった。シカはワイヤーメッシュを嫌って近寄らないだろうと予想していたが、甘かったのである。プロジェクトを推進しているささゆり愛好会の杉村邦雄さんは、その状況を見た時、「腰を抜かしてその場で長い間立ち上がれなかった」と話しており、ショックは相当なものだったと察する。
 そんな憎いシカへのリベンジが始まったのである。とは言うものの、何の手立てもなしでは、同じことを繰り返すだけ。先月19日には日高振興局農林水産振興部から講師を迎えてシカ対策の学習会を開催。防護柵を設置してシカの侵入を防ぐ案などが出されている。ただ、柵をするにしても、再び球根を買って植栽するにしても、お金が必要。それに植栽や柵設置の労力などもいるため、多くの人の協力なくしてできることではない。学習会では講師が「関係者が一つの目的のもと力を合わせれば、被害は必ず軽減できる」と話していた。ササユリ復活へ地域住民の一致団結を期待したい。     (吉)