花咲徳栄(埼玉)の初優勝で幕を閉じた第99回全国高校野球選手権大会。2006年の60本を大幅に更新する大会新記録の68本塁打が飛び出したことが、高校野球好きが集まるとどうしても話題になる。なぜ、こんなに本塁打が多かったのか。ボールが飛ぶ、バットがよくなったなどとの声も仲間内では出てくるのだが、スポーツ紙などの報道では日本高校野球連盟の話としてボールもバットも基準は変わっていないそうで、その理由ははっきりと分からない。
 個人的に推測してみると、ずば抜けた力を持つ投手がいなかったというのが大きいと思う。それに近年、複数の投手の継投や連投を避ける傾向が強くなってきているため、エースより少し力の劣る投手が登板する機会が増加。暑い夏の連戦に耐えられるようにストライクゾーンで勝負するなど少ない球数で打たせて取る配球になってきているようにも感じ、打者に優位な状況が以前より多くなってきているのではないだろうか。打者側では、連日1000スイング以上の練習をしたり効率的なトレーニングをしたりしてパワーがアップしているのは明らか。プロにも負けないような体つきの選手も目立ち、選手の進化も間違いなく影響しているだろう。
 広陵の中村奨成選手は1大会6本塁打の新記録を打ち立て、盛岡大付―済美では5回に両校が満塁本塁打を打ち合うという史上初の打撃戦もあった今大会だが、見逃せないのは派手な本塁打よりも、どんなに点差が開いても諦めない選手の必死な姿。幾つかの推測も、本塁打新記録の決定的な理由にはならない。結局、「最後まで全力プレー」の積み重ねが、いろんな記録につながったのだと思う。    (賀)