美浜町でひきこもり回復支援のための拠点づくりを進めている精神科医宮西照夫さん(68)を中心とするグループが、NPO法人「ヴィダ・リブレ」の設立を申請した。病院や行政など他の関係機関との連携を強め、地域に根差してより多くの若者に支援の輪を広げようと、宮西さんの調査・研究によるひきこもり回復支援プログラムの完成から5年目にして待望の申請。9月2日には、御坊市の日高病院でNPOのメンバーが中心のシンポジウムが開かれる。
 社会と文化の変化、インターネットのバーチャルコミュニケーション時代の到来に伴い、日本では1980年代から若者の社会的ひきこもりが急増。内閣府の調査によると、2015年時点で国内では約70万人ものひきこもり状態の若者がいると推定されている。
 ひきこもり研究の第一人者の和歌山大名誉教授、精神科医の宮西さんは、1982年から30年間にわたる研究、調査、支援活動を経て独自のひきこもり回復支援プログラムを開発。2012年からは自身が副院長を務める岩出市の紀の川病院で、ひきこもり専門外来、ひきこもり専門のショートデイケア、自助グループの育成などの取り組みを進め、2015年度からは美浜町和田の自宅そばの空き家を活用し、プログラムに沿って臨床心理士や精神保健福祉士、メンタルサポーター(ひきこもり経験がある支援者)らによる専門家集団づくりを進めてきた。
 今回のNPO法人申請にあたり、宮西さんは「これまでの活動を都市部だけでなく地域に定着させ、行政など他団体との連携を深めるためにも、社会的に認められた公的な組織とすることが最良だと考え、NPO法人の設立を申請した。法人化により、組織を強化し、長期的展望に立ったひきこもり支援プログラムや活動を確立でき、精神保健福祉分野を中心に社会に大きく貢献できると思います」と話している。
 9月2日のシンポジウムは御坊保健所が主催し、日高病院3階講堂で午後1時から宮西さんがひきこもりの支援をテーマに基調講演。2時10分からは宮西さんと同病院臨床心理士の石橋玄さんが座長となり、不登校の中学生やゲーム依存の若者支援、ショートケアの仲間づくりに取り組むメンタルサポーター4人が討論する。
 参加は無料、申し込みが必要。問い合わせは御坊保健所保健福祉課℡0738-22-3481。