福岡、大分両県で死者32人、安否不明者15人という甚大な被害が出ている九州豪雨災害から10日が過ぎた。猛暑の中での懸命の捜索活動が続いているが、大量の土砂、流木の影響で難航している。東日本大震災以降、想定外という言葉は通用しないといわれるようになったが、それでも自然の猛威はいつも人の想像のはるか上を行く。今回のような被害が起こると予想していた人などいないだろう。人の想像力を超える災害に対して、我々は何をどう備えるべきなのか、あらためて考えさせられる。
日高川が氾らんし日高川町を中心に甚大な被害を出した平成23年9月の紀伊半島豪雨災害のときも感じたことだが、山の保水力が落ちているのも被害を大きくしている要因の一つではないか。今回の九州豪雨災害でも指摘されているが、山の手入れが行き届かないことで木がしっかり根を張らず、山の表面が崩れやすくなっているのでは、と。もちろん、保水力を超える雨量が短時間に降ったことが一番の要因だが、山の機能を取り戻すことを考えることも、教訓の一つだろう。
もう一つ感じたことは、避難のタイミングの難しさである。集中豪雨も珍しくなくなってきた昨今、いつやむか分からない雨に対して、どこで危険と判断できるか。津波には大きな揺れという合図があるが、大雨から合図を見つけるのは簡単ではない。とはいえ、災害で生死を分けるのは避難行動をとれるかどうかだ。九州を襲った線状降水帯は、日本中どこでも起こりうること。幸い、気象予報技術は進歩している。特別警報の発令もある。これらの情報に敏感になり、避難の合図を読み取る力を養わねばと感じた。 (片)

