CDよりも温かみが感じられるということで、近年、昔のアナログレコードの人気が高まりつつあり、ソニーがレコード生産を復活させるという。何となく分かるが、なぜいまさら、という気もしないではない。
初めて自分で買ったレコードはたしか、サザンの「Ya Ya あの時代を忘れない」。中学になるとMTVにどっぷり浸かり、友達と御坊のまちの電気店で展示品のステレオをいじり、「やっぱりソニーやで」などと得意になっていた。
深夜のベストヒットUSAにかじりつき、おニャン子クラブに騒ぐ同級生を鼻で笑っていたあのころ。英語の歌詞の意味はさっぱり分からなかったが、カセットテープのノーマルとクロームの音の違いは分かった。
テープはレコードと同じでA面とB面があり、学校の勉強よりも、どうしても切れる最後の曲の最後の5秒をどうやって入れるか、インデックスラベルにいかにきれいに曲名を書くかに必死だった。
学校帰り、大谷レコードの袋に入ったLPをこれ見よがしに自転車のかごに入れて田んぼ道を走っていた。高校生になると、電車通学の女子がおしゃれなイワキレコードの袋を持ってきて、教室で大谷派と本願寺イワキ派が自分の知らない洋楽で意気投合する姿にイラついたりもした。
もう30年以上も昔の話。中高生にとってアナログのLP盤は音楽を聴くだけでなく、湯川れい子らの小難しいライナーノーツを読むのもわくわくしたし、ジャケットが重要なファッションアイテムだった。
音に関しては雑音との闘いだったため、アナログ盤に思い出はあっても、買おうとは思わない。生まれたときからデジタル社会のいまの若者は、初めて聴くアナログが新鮮なのかも。 (静)

