平成29年度第3回市民教養講座の講師、スポーツキャスターの大林素子さんは筆者とほぼ同年代である。小学校の時は山口百恵らのアイドルの全盛期、中学生の時はモスクワ五輪ボイコット、高校生の時はロス五輪と経験や記憶が重なっていて親近感を覚えた◆子どもの時は桜田淳子のファンになりアイドルを夢みて、「アタック№1」の鮎原こずえに憧れバレー部に入部。筆者もミーハー気質のおかげでいろんな分野に興味の幅を広げられているのでわかるが、何かに憧れる、夢中になるということは、心の燃焼力を高めることではないかと思う。大林さんが自身の運命を変えたのも、その憧れの心ゆえだった◆実業団の日立バレーボール部主将江上由美選手の大ファンで、自宅から自転車で10分のところに日立の体育館があったことからサインをもらおうと思い立つ。だが、段ボール箱いっぱいのファンレターが全国から寄せられていることを知り、「選手ではなく監督なら返事をもらえるかも」と山田重雄監督に宛てて「中学2年生、左利き。オリンピックに出たいと思っています。PS・選手のサインがほしいです」と書いて投函。返事どころか山田監督から直接電話があり、憧れの江上選手のユニフォームを借りて練習。その後、日立で毎日練習することになる。そして高校卒業後に日立に入社、ソウル五輪出場の日本代表メンバーに選ばれる。ファン心理が書かせた1通の手紙が、自身の運命を引き寄せたことになる◆今も「女優として活躍する」という夢を抱く大林さん。小学生の時にはいじめられてマンションから飛び降りようと思ったというが、そんなことなどぐいっと乗り越えて進んでいけるだけの心の熱量を、当時から備えていたのだろう。 (里)

