日高医師会や日高地方の病院、自治体の職員らでつくる県地域医療構想(御坊保健医療圏)調整会議の第4回が13日開かれ、8年後の2025年時点で必要と推計される入院ベッド数のうち、慢性期は重度心身障害児施設(重心)の病床数を控除する修正案が承認された。これにより、和歌山病院の重心病棟は160床がそのまま残ることになったが、急性期については300床以上も減らさねばならず、大きな検討課題となっている。
 県は昨年5月、少子高齢化が進む2025年時点で必要な県内の入院ベッド数などをまとめた地域医療構想を策定し、14年時点の1万2540床より3034床少ない9506床と推計。御坊医療圏(御坊市、美浜町、日高町、由良町、印南町、日高川町)は昨年7月時点の病床数が895床で、県は2025年時点で必要な病床数を240床少ない655床、慢性期のベッドは261床から27床少ない234床と推計していた。慢性期の病床は長期にわたり療養が必要な持病のある高齢者や重度の障害者が利用するが、現状の261床には和歌山病院の重心160床が含まれる。
 和歌山病院やつくし・医療福祉センター(岩出市)など県内に4カ所ある重心病棟は、10年以上入院している患者が半数を占め、新規の入退院が少なく、40年以上の長期入院も珍しくない。和歌山病院については約9割が御坊圏域以外からの入院で、北海道や四国から入院している人もいる。これらの現状から、受け皿が少なく、退院が難しい重心患者を一般の慢性期患者と同じ扱いにするのは無理があるとして、御坊医療圏は県を通じて国に対し、重心の病床を既存の慢性期病床としてカウントしないことを提案していた。
 県は国との協議の結果、昨年12月、「各県が地域の実情に合わせて柔軟に対応する」ことを確認した。これを受け、今回の調整会議では昨年7月1日時点の御坊医療圏の慢性期病床数を261床から和歌山病院重心分(160床)を控除した101床とし、2025年時点の必要数234床に対して133床足りなくなるとの修正案を提出。承認された。
 ベッドの医療機能としては慢性期のほか、救急救命や集中治療室などの「高度急性期」、病気で手術が必要な人らの「急性期」、手術後の患者が在宅復帰に向けた医療やリハビリを受ける「回復期」がある。御坊医療圏は現状の急性期の病床が533床あり、国の計算式から算出された2025年時点の必要数は210床となっており、今後8年間で323床も削減しなければならない。日高病院、和歌山病院など各病院間で検討することになっているが、事務局は「現実に可能なのかどうか、いまのところ解決策は何もない」という。