世界的には治安がいいと言われる日本だが、新聞やテレビなどでは毎日のように凶悪な犯罪などが報じられている。マスコミが取り上げるのは話題性があるかどうかで、凶悪犯罪が日常化してしまうと大きなニュースとしては成り立たない。将来的に殺人事件などニュースにもならない日が来るのではと思ってしまうほどだ。
大阪市に住む鈴木玲奈容疑者(24)と大島裕太容疑者(22)の2人が逮捕された事件が大きく報道された。亡くなった鈴木琉聖君(1)の遺体を半年以上も隠していたとして、死体遺棄の容疑だった。実母である鈴木容疑者はみなべ町出身だったという、当地方には衝撃的な事実もあった。同町によると、平成27年10月に和歌山市から玲奈容疑者、琉聖ちゃん、長女の3人が転入し、28年8月には大阪市東住吉区へ転出していたという。
鈴木容疑者を知る住民の話では高校時代には硬式野球のマネジャーを3年間務めていたという。もちろん、高校球児の世話を献身的に行うというのが役割だ。このことから考えると、今回のような事件を起こす人物にはとても思えない。実際に鈴木容疑者を知っていたという住民に話を聞いてみると、「特に悪いイメージは持っていなかった」という声も聞かれた。
「悪人は世の中にあるはずがありませんよ。平生はみんな善人なんです。少なくともみんな普通の人間なんです。それが、いざという間際に、急に悪人に変わるんだから恐ろしいのです」。夏目漱石の代表的な作品「こころ」の一節。そうだとしても、善人から悪人に変わるきっかけはあるはず。凶悪犯罪が相次いでいる現状を考えると、人とのふれあいが少なくなってしまった社会そのもののゆがみにも原因があるのかもしれない。(雄)

