国内外で活躍する書家の柏木白光さんが16日、熊野古道をテーマにした作品制作で、印南町西ノ地の切目王子を訪問。地域住民らが見つめるなか、自作の詩(うた)の書を完成させた。
 柏木さんは大分県生まれで5歳から書の道へ。昭和63年の毎日女流展グランプリ受賞はじめ多くの書道展で入賞し、海外公演や国内イベントに出演。伊勢神宮、明治神宮や靖国神社に作品を奉納し、23年には沖縄護国神社の記念碑に美智子皇后御歌を揮毫している。
 21年から熊野古道をテーマに、その土地での作品制作をスタートさせ、26年1月に集大成となる展覧会「天と地~熊野へ捧げる書巡礼~」を開催。昨年5月に新たな作品を加えて三重県伊勢市と田辺市本宮町で展示会を開き、今回さらに第2弾として熊野詣でを行ったことで知られる後鳥羽上皇に縁のある土地を巡ろうと15日、田辺市の発心門王子から活動を始めた。切目王子は5カ所目で、境内に紙を広げてじっくり制作。1つ目の作品には「一歩二歩杉の走り根くだるとき山陵はるかな切目王子よ」と書いた。2つ目には大きく熊野古道の「道」と書き、字のしんにょうの部分に境内に伸びる木の根を表現。「朝まだき産着のやうな靄(もや)かかる切目王子はまだ深眠り」と筆を走らせた。
 今後3年間をかけて海南市の藤白神社や和歌山市の紀三井寺、京都の東寺、伏見稲荷などを回り、作品を制作して展覧会を開く。この日、作品を書き上げて「いい作品を書かせてもらいました」とにっこり。切目の歴史を学ぶ「うらしま会」の寺下鎮雄会長は制作を見守り、「すごい方に来てもらって驚いています。もったいないこと。これをきっかけに切目王子の名前が全国に広がり、地元の人にも再認識してもらえれば。展覧会が楽しみです」と期待を込めていた。