まだ食べられるのに捨てられている食べ物、いわゆる「食品ロス」の減少に取り組んでいる御坊市に事務局を置くフードバンク和歌山(古賀敬教会長)が、子どもたちが安心してご飯が食べられる場所を提供しようと、11日から財部の日高総合型クラブ(ソフトバンク2階)で「御坊こども食堂」をオープンする。毎月2回、誰でも自由に晩ご飯を食べに来てもらうことで、すべての子どもの「居心地のいい居場所」を目指す。
 子どもの貧困が問題となっている中、こども食堂は、「親の仕事の日は一人で晩ご飯を食べている」「弁当を買っている」などの子どもが無料で自由に食べに来られる場所として全国的に広がってきている。
 フードバンク和歌山は、昨年7月から賞味期限が迫った食料品を協力企業から寄贈してもらい、児童自立生活援助事業所などに提供する取り組みをスタート。和歌山市に開設されているこども食堂に食材を提供したことをきっかけに、「食材提供だけでなく、食堂も開設しよう」とメンバーから声が上がり、日高地方で初めてオープンすることにした。
 全国的には食事に困っている子どものみを対象にしている所もあるが、御坊こども食堂は一切の制限を設けず、おおむね18歳までのすべての子どもが対象。保護者や祖父母らもOK(大人だけでの利用は不可)で、子どもを中心に若者、高齢者など幅広い年齢層がつながりを感じられる地域づくりを目指すことに重点を置いている。
 11日以降は毎月第2・4日曜日、午後5時から7時まで御坊市湯川町財部778―7、日高総合型クラブで開設。定員は60人で、予約が必要。子どもは無料で、保護者らは300円。提供する食事は、初回はカレーライス。調理等はすべて地域のボランティアが行っており、一緒に活動してくれるスタッフも募集中。食堂予約やスタッフの問い合わせは事務局の鈴木さん℡080―3792―0000。フードバンク和歌山では「家庭という居場所、学校や職場という居場所がありますが御坊こども食堂は第3の居場所として心地よい空間になることを目標にしていますので、気軽に利用してほしい」と呼びかけている。