国民的な人気を誇るアイドルグループSMAP。その年内の解散が報じられて1週間近くが経った
これほどの人気が長く続いているのは、まず本人達の資質と努力、そしてブレーンの戦略と時代の要請がぴったり合致していたということだろう。SMAPの結成は1988年、元号が昭和から平成に改まる前年。そして解散が報じられたのは、天皇陛下が生前退位についてのお気持ちを発表された数日後のことだった。まさに平成という時代と共に走ってきたグループといえる
昭和と比較した平成期の特徴としては、価値観の多様化が挙げられる。皆がそろって同じテレビ番組を見て、ヒット曲といえば老若男女誰もが知っていた時代は過去のものになった。SMAPには、5人のメンバー一人一人がまったく違う個性を放ち、それでいてグループとしての統一感を持つという特徴がある。多様な価値観を志向する時代に、5人それぞれ異なる個性がマッチしていたのだろうか。「世界に一つだけの花」のヒットは、「一人一人違う種を持つ」というこの歌の心をメンバーが体現していたこともあるかもしれない
実のところ筆者は15年来のファンで、今回の報道にかなり動揺している。ファンとして彼らの魅力を述べるなら、単なる仲よし集団ではないという点。気が合う合わないといったことを超え、最前線で共に戦う戦友同士のような絆をみていたのだが
彼らが「偶像」でなく生身の人間である以上、葛藤や軋轢は当然だろう。だが、できることならそれを決定的な亀裂ではなく傷として治癒し、乗り越えてほしかった。これほどの長い期間「アイドル」として君臨してきた稀有な存在に似つかわしくない終わりを迎えるのは、なんとしても残念で仕方がない。 (里)

