冬になると空気が乾燥し、火災が発生しやすくなるが、夏場も注意が必要だという。御坊市消防本部は、夏の火災予防を呼びかけている。夏は行楽の機会が増えるに伴ってバーベキューや花火といった屋外で火を使う機会が多くなり、また、お盆の時期にはろうそくや線香が原因となる火災の危険が高くなる。
 仏壇や神棚にともしたり、停電したときに使われる身近なろうそく。そばにあるものや倒れたとき周りに引火するだけではなく、火のついた芯が飛んで火災につながったとみられるケースがあり、数年前、消防の実験で分かったというニュースを見た。それは住宅で発生した火災。居間にあった障子の中央部から火が出て住民が消し止めた。障子の近くにろうそく立てがあったが、20㌢以上離れ、ろうそくは燃え尽きた状態。当時は原因を突き止められなかった。
 消防は、住民が現場のろうそく立ては水で洗ったあとだったと話していたことから、ろうそく立ての受け皿部分に水分がある状態で火をつける実験をスタート。半年にわたって繰り返したところ、まれに火のついたろうそくの芯が飛ぶことが分かった。ろうそくが燃え尽きるとき、溶けたろうの膜に閉じ込められた水分が、数百度にもなる炎に熱せられて沸騰。ろうの膜が破裂して芯を飛ばしたとみられている。
 ろうそくの使用はお盆に限ったことではないが、このようにまさかというところに火種はくすぶっている。火遊びをすると寝小便をすると言われるが、布団を濡らすどころでは済まない火災。油断大敵、季節を問わず、日ごろから火の取り扱いには十分に注意し、楽しい夏の思い出をつくろう。 (笑)