海南市船尾の県立自然博物館で特別展「泳ぐカメ ウミガメのふるさと和歌山」が始まり、夏休みに入った小学生らでにぎわっている。和歌山県近海ではアカウミガメ、アオウミガメ、タイマイの3種類のウミガメがみられ、みなべ町の千里の浜は日本有数のアカウミガメの産卵地として有名。特別展ではこの3種類のウミガメが泳ぐ姿を見ることができ、ゾウガメなど海外原産の珍しいカメも多く生体展示されている。
 日本には古来、ニホンイシガメしか生息していなかったが、江戸時代に観賞用として中国から入ってきたクサガメが全国に分布。現在、湖沼や河川ではアメリカから入ってきたミシシッピアカミミガメが多くみられ、東京や大阪の大都市周辺では北米原産のカミツキガメやワニガメなど、ペットとして飼われていたものが捨てられ、繁殖した外来種が増えている。
 今回の特別展は和歌山県の近くの海で見られるウミガメなど「泳ぐカメ」を中心に、14種類、20匹以上の生きたカメや標本を展示。ウミガメは本州の海岸で卵を産むアカウミガメ、小笠原諸島や南西諸島を主な産卵場所とするアオウミガメ、日本の石垣島などが最北の繁殖地のタイマイの3種類が生体展示され、水槽やプールで泳ぐ姿を見ることができる。
 このうち、アカウミガメについては、みなべ町の千里の浜での上陸・産卵回数の経年表、同町でのウミガメ調査・保護活動などを紹介するパネルもあり、1980年代から続く上陸調査、全国のアカウミガメの産卵状況などが示されている。学芸員の竹中利明さん(43)によると、和歌山県内でアカウミガメの上陸、産卵はみなべ町の千里の浜、白浜町の日置大浜(志原海岸)、田辺市の扇ケ浜など県南部の海岸でみられるが、最も多いのは千里の浜。「夜になれば海岸が暗くて人もおらず、何より未開発の砂浜の幅が広い点が産卵に適しているのだと思います」と話している。アカウミガメは水槽内を泳ぐ姿を見ることができ、10匹の生まれたての赤ちゃんも展示されている。
 ウミガメ以外では、アフリカ東岸沖のアルダブラ諸島やセーシェル諸島のみに棲む草食性の大型の陸ガメ、アルダブラゾウガメ、北米の川や沼に生息する凶暴なカミツキガメ、映画「ガメラ」のモデルになったといわれるワニガメなどを展示。竹中さんは「不定期ですが、実際に手でカメに触ってもらえる特別企画もあります。ウミガメをはじめ、いろんなカメの迫力ある泳ぐ姿や歩く姿を見てください」と話している。
 自然博物館は開館時間が午前9時半から午後5時まで、月曜休館。入館料は大人470円、65歳以上と高校生以下は無料。カメの特別展は8月31日まで。問い合わせは同館℡073―483―1777。