高野―熊野の世界遺産など県内の観光をもっと便利に楽しんでもらおうと、龍神自動車㈱(本社・田辺市、小川豊介社長)は龍神村の護摩壇山と中辺路町の栗栖川を結ぶ「高野中辺路線」を新設し、4月2日から運行を開始する。これにより、高野山から2回の乗り継ぎで熊野本宮大社まで行けるようになり、所要時間もこれまでのJR田辺駅経由に比べて2時間以上も短縮されるという。
 龍神自動車が新たに開設する高野中辺路線は、橋本市の南海りんかんバス㈱が運行している高野龍神線(高野山駅前~護摩壇山)と龍神村の護摩壇山停留所で乗り継ぎ、さらに終点の中辺路町の栗栖川停留所で本宮大社方面への路線バスに乗り継ぎが可能となる。
 現在は高野山から熊野本宮大社へ向かう場合、龍神温泉から田辺市のJR田辺駅を経由しなければならず、高野山から本宮大社までは7時間以上かかるが、今回の高野中辺路線の開設により2時間15分短縮。午前9時50分に高野山駅前を出発すれば、11時30分に護摩壇山、午後1時26分に栗栖川で乗り継ぎ、本宮大社へは2時40分に到着する。
 龍神自動車は「高野山と本宮大社を結ぶ路線は、単年度の期間限定で貸切バスを運行したことがありましたが、今回は待望の定期路線の開設です。高野山から熊野を訪れたい観光客はもちろん、熊野から高野山へ向かうお客様にもたいへん便利なダイヤとなっております」と話しており、現在、利用促進のための路線開設記念キャンペーンも検討しているという。
 運行日は4月2日から11月20日までの土日・祝日(9月11日除く)、5月2・6日、8月1~26日の平日など年間123日。高野中辺路間の運賃(片道・急行料金含む)は大人2240円、子ども1220円。全便予約制となっているが、空席があれば当日、予約なしでも乗れる。予約、問い合わせは龍神自動車℡0739-22-2100。