自民党総務会長の二階俊博代議士が提唱して実現した「11月5日世界津波の日」の原点となった濱口梧陵の逸話を紹介する広川町の「稲むらの火の館」の名誉館長に、元公明党代議士の西博義さん(67)が1日付で就任した。5日には本紙のインタビューに応え、東日本大震災から11日で丸5年を迎えるのを前に、住民の防災意識を高める重要性を訴え、「濱口梧陵の教訓を広めていきたい」と決意を新たにした。
 西名誉館長は、広川町出身で徳島大学大学院工学研究科修士課程を修了。和高専に化学の教官として就職し、助教授まで務めた。1993年7月の衆院選に旧和歌山1区から公明党公認で出馬し初当選。連続6回当選(2回目以降は比例近畿ブロック)を果たし、2012年に政界を引退。現在は公明党県本部代表を務めている。
 就任に際し、「代議士時代も含めてお世話になった地元の皆さんに、少しでもお役に立ちたいという思いでいっぱい」と表情を引き締めた。西さんの父(西六郎・旧姓小山)が高校時代の昭和10年代、稲むらの火の館に隣接する濱口梧陵の生家に住み込み、庭の手入れなど手伝いをしながら学校に通わせてもらったといい「不思議な縁を感じています」。就任してまだ5日だが、今後の取り組みとしてさまざまな思いを持っており、「津波で亡くなる人を1人も出さないことが最大の目標。濱口梧陵の教えを子どもたちに語り継ぎ、大人にももう一度防災意識を高めてもらえるよう、国内外に情報を発信していきたい」と濱口梧陵の教訓を伝承していくことで意識高揚につなげていくと強調。インドネシアのアチェ津波博物館と友好提携を結んでおり、「東北や神戸、アチェとネットワークを構築し、稲むらの火の館を広報や研究の拠点にしていきたい」と抱負。住民には「津波や自然災害に対しては、一人一人の努力で犠牲者や被害を減らすことができる。津波が到達するまでにどのような行動を取るか、それは地域によっても異なるので、それぞれが最善の方策を常に頭に入れておくことが求められている。多くの人に館に来てもらうことで、このような意識を高めてもらえるようさらに充実させていきたい」と力を込めた。