平成28年、申(さる)年がスタート。日高川町早藤の川取佳子さん(88)宅では、10匹のサルの絵が織られた衝立(ついたて)で新年を祝っている。
 佳子さんの父留五郎さんと母の実子さんの結納の際、実子さんが申年生まれの留五郎さんに合わせて京都で特注の帯を作った。10匹のサルが手をつなぎ「末永い縁(猿)」を願っている絵が織られた帯で、その効果もあってか2人は留五郎さんが亡くなる昭和50年までの約50年間連れ添った。
 衝立は、帯を残そうと佳子さんが呉服店に依頼して仕上げた。50年経っても色あせずきれいな色が出ており、「サルが手をつないだ絵はありますが、織物では珍しいと思います。この衝立を出してことし1年幸せな年になれば」と願っている。