梅の新品種「橙高(とうこう)」の産地化へ、県が15日、田辺市上芳養に実証園を設置した。生活習慣病予防に効果があるとされるβカロテンの含有量が多いのが特徴で、5、6年先には40㌶の栽培面積を目指す。県は橙高を使ったマヨネーズ風ドレッシングの商品化も進めており、原料の確保を視野に入れている。
橙高は南高梅とみなべ町の在来種の地蔵梅を掛け合わせた新品種で、県が平成21年に品種登録した。果皮、果肉が鮮やかなだいだい色。機能性が高く、生活習慣病予防や老化抑止、目の健康維持に効果があるとされるβカロテンの含有量は、南高梅の約6倍にもなる。自家結実性で収穫量は安定しているという。
 県はJA紀南と協力して、食物アレルギーの1つである卵を使わずに橙高を原料としたマヨネーズ風ドレッシングの開発にも取り組んでいる。再来年ごろには商品化が見込まれているが、現在の栽培面積は田辺市を中心に2㌶(約200本)程度しかなく、原料不足を解消するためにも栽培の普及が必要となっている。
 実証園は田辺市の地元農家、石神泰さん(53)の園地に設置。当日は県やJA紀南の職員約10人が1年生の苗木(約1・5㍍)の植樹を行い、4㌃の面積に48本を植え付けた。計画では4年目に初収穫できる見込み。石神さんは「梅の価格は低迷している。新しい梅の品種産地化への取り組みを進めていきたい」と期待し、県うめ研究所主任研究員の土田靖久さん(45)は「機能性の高い『橙高』を使った加工品を国内外に広めていきたい」と話していた