田辺市龍神村龍神の護摩壇山森林公園内の森林環境を取り戻す県の「ごまさんブナ林再生プロジェクト」で、龍神村の児童45人が同地に広葉樹のミズナラの苗200本を植樹した。野生動物のシカの食害で荒廃が目立つようになったという。プロジェクトは3年計画で、今後も自然林の再生に向けて植樹活動などに取り組んでいく。
 以前は木々の隙間を覆うようにササなどが茂っていたが、シカが下草を食害し、地表面がむき出しになった場所が増えてきているという。県では昨年度から「ごまさんブナ林再生プロジェクト」に取り組み、防獣ネットを張るなどの対策を実施している。
 今回の植樹には龍神、上山路、中山路、咲楽の各小学校の3~5年生が参加。最初に勉強会が開かれ、森林公園内を見学。下草が生い茂った20年前の写真と現在の様子を比べたり、インストラクターから自生しているブナ、ミズナラなどの樹木の名前を教えてもらったりした。植樹では同公園周辺のミズナラの種を採取して育てた2年生の苗を植えた。児童たちは鍬で掘った穴に苗を入れ、根の部分に丁寧に土をかぶせ、「大きく育ってほしい」と願いを込めていた。プロジェクトでは本年度中にあと800本のミズナラを植えるほか、来年度も植樹活動を続けていくという。