「おれだよ、おれ...」――「○○かい、どうしたの?」。詐欺電話のはしりと言えるだろうか。この手口にだまされる人が増え、「オレオレ詐欺」と呼ばれるようになったのはちょうど11年前。2004年11月だそう。それから気をつけようと呼びかけるも、いまだに被害は後を絶たず、手口は巧妙化。ことし県内の被害総額は約2億6000万円(9月末現在)という。
 23日、御坊市役所の職員をかたった還付金名目の詐欺未遂電話が相次いだ。「払い過ぎの医療費を返金したい」「お金を振り込むための書類を送った」と預貯金先を聞き出したうえで、「お金を口座に振り込むのでATMへ行ってほしい」。いずれも携帯電話で還付手続きを指示するふりをし、実は犯人の口座にお金を振り込ませる手口だろうが、被害が出なくてよかった。
 同じ日、田辺市内で30代の女性がギャンブル必勝情報の提供名目で現金425万をだまし取られたと警察が発表。また、27日には紀の川市内で高齢の女性が保険料の還付金名目で現金約50万円をだまし取られる被害に遭った。報道によると、紀の川市での手口は23日にあった御坊での未遂2件とほぼ同じ。指定されたATMに行ったところ、携帯に電話があり、言われるままに操作したという。
 被害に遭った高齢の女性は自分自身、普段から特殊詐欺の被害に遭わないよう注意していたそうだが、現金を振り込んだという認識がないままにだまされたという。御坊市の2人も「幸い」と言えようか、おかしいと思わなくても相談、あやしいと感じたら通報。人を疑うのは気持ちよくないが、お金が関わる話には特に細心の注意を払おう。本紙も皆さんの防犯に役立つよう努めたい。(笑)