日高町の敬老会が28日に農村環境改善センターで開かれ、講師にオロナミンCのコマーシャルなどで知られる「こんちゃん」ことコメディアン・俳優の大村崑(こん)さん(83)を迎え、「高齢社会における幸福論~いま幸せでっか~」をテーマに講演を聴いた。大村さんは健康で若々しくいられる秘訣として①笑い②買い物③うわさ話││の3つを紹介。ユーモアを交えた〝こんちゃん節〟に来場した高齢者ら約600人は大ウケだった。
大村さんは「私を見てください。若々しくて肌のつやもいいでしょう。サラリーマンは休んでも給料をもらえるが、私ら喜劇役者は、お銭をもらうために元気な体で働かなければなりません」などと笑いを誘いながら、「ストレスがかかると体がボロボロになる。例えば夫は妻に先立たれるとストレスがかかって、平均して3年後に亡くなる。逆に妻は夫が先に亡くなると、20年は生きる。それはストレスがなくなるから」などと説明。「ストレスをためないことが重要。そのためにまず一つ目は笑うこと。鏡を見て笑う練習をしてください。だんだんいい顔になり、その笑顔が記憶され、いつでも自然に出てくるようになる。2つ目は買い物すること。買いたい服を見つけた時、それを着て出かける時、さらに『いい服着てるわね』などとほめられた時、ストレスがどんどん取れていく。そして3つ目はうわさ話。『ちょっと私に聞いたって言わないでよ』などと、うわさ話を広めるため町内を走り回っている人が長生きする」と持論を展開。さらに「その3つを実践していたのが、4年前に96歳まで長生きされて亡くなった喜劇役者の森繁久彌さん。周囲の人を笑わせるため『あなたどなた。もう死んだと聞いたけど』などと私に言ったり、私のためにヨットを買ってくれたり。また、森繁さんから『オレが文化勲章を受章することになったが、発表まで絶対に言ってはいけないことになっている』と電話がきたこともあった。私はそれを聞いてきちんと黙っていた。そして、森繁さんは帝国ホテルでの表彰式でさも初めて聞きましたという顔でお礼の言葉を述べていた。そこには三田佳子さんら有名人60人が出席していたが、実は全員が森繁さんから事前に受章の連絡を受けていた。黙っていた私たちはストレスがかかったが、森繁さんはストレスを発散していた」などと紹介した。
最後に「背筋を伸ばして笑顔を見せ、明るく生きよう」と呼びかけた。