県内で長年、地域医療、保健の第一線で活躍した保健師、看護師、助産師らの功績をたたえる県ナース章の受章者が決まり、ことしは県全体で病院勤務の看護師ら13人が受章。日高地方からは、県西牟婁振興局健康福祉部(田辺保健所)に勤務する保健師嶋田左知代さん(59)=日高町志賀=が選ばれた。29日午前11時から県庁正庁で表彰式があり、仁坂吉伸知事から表彰状と純銀のメダルが授与される。
 県ナース章は、県内の医療機関や自治体に勤務し、長年、地域医療、福祉の向上に貢献した看護師、准看護師、保健師、助産師の功績をたたえる制度。昭和45年から始まり、ことしは看護師10人、保健師2人、助産師1人が選ばれた。
 保健師の嶋田さんは、保健師として県に採用されて36年にわたり、結核等の感染症予防や母子・成人保健、精神保健など各種事業の推進に尽力。地元御坊保健所を振り出しに、数年ごとに田辺と御坊を行き来しながら、新宮、湯浅を経て、現在は田辺保健所の保健福祉課長として、高齢者や障害者の保健福祉向上、母子健康づくり等のチームを率いている。
 若いころは精神障害者福祉の担当が長く、御坊保健所時代は地域の家族会や当事者の会、医師会、市町村の担当者とともに作業所(ワークステーションひだか)づくりに尽力。新宮保健所に勤務していた平成23年9月には、台風12号豪雨により管内の那智勝浦町、旧熊野川町(現新宮市)が甚大な被害を受け、市町の避難所運営を県内各地から駆けつけた保健師や医師らとともにサポートし、住民の心身の健康調査等に奔走した。
 今回の受章に際し、「これまであっという間のような、仕事を普通にやってきただけのような気もしますが、受章については驚きとともに喜びもあり、職場の上司、先輩、後輩、市町村の皆さんや住民の方々に支えられた結果と感謝しています」と話している。