日本最短のローカル鉄道として親しまれている紀州鉄道に20日、滋賀県の信楽高原鉄道から無償譲渡を受けた気動車「SKR301号」が到着した。
 トレーラーに乗って19日夜に滋賀県を出発し、20日朝、御坊に到着した。現在運行しているレールバスより車体が4㍍長くなり、車内も対面座席が多くゆったりと座れるのが特徴。車体の側面には信楽焼きを象徴するタヌキのイラストとSKRの文字が残っているが、近く塗装することにしている。検査を受けて合格後、早ければ年内にも運行する。紀州鉄道統括管理駅長の大串昌広さん(50)は「乗り心地よくゆったり乗車できますので、ぜひご利用してください」とPR。SKR301号が新車当時からともに歩んできたという信楽高原鉄道業務課長の谷口勝利さん(50)も同行し、「御坊でも末永く愛され、親しまれる車両になってほしい」と目を細めていた。
 運行後はSKR301号が主力。紀州鉄道で現在走っている全国で唯一のレールバス「キテツ2号」は〝控え〟となり、運行する姿はこれまで以上に希少価値が高くなることから、鉄道マニアに一層親しまれそうだ。