田辺市龍神村出身、日高高陸上部ОBでオリンピック50㌔競歩3大会連続出場などを果たした小坂忠広さん(55)=石川県立小松特別支援学校勤務=が、公益財団法人日本陸上競技連盟の栄章の一つ、勲功章を受章した。小坂さんは指導者として、ことし8月に北京で開かれた第15回世界陸上競技選手権大会で銅メダリストを輩出した功績が認められ、紀の国わかやま国体陸上競技2日目の去る3日、紀三井寺公園陸上競技場で表彰を受けた。
 昭和52年度の日高高校卒業生。高校時代は2年生と3年生時に全国高校駅伝に出場し、アンカーとして活躍した。大学は順天堂大に進み、卒業後は1988年のソウルを皮切りに92年のバルセロナ、96年のアトランタと3大会連続でオリンピックに出場。97年に指導者に転身後は2012年のロンドン五輪で陸上競技日本選手団のコーチを務め、日本陸上競技連盟強化委員会競歩部副部長などとしても世界に通用するアスリートの育成に尽力している。
 8月の第15回世界陸上では、高校2年生のときから指導に携わってきたという谷井孝行さん(32)=自衛隊体育学校=が50㌔競歩で銅メダルを獲得。日本勢が世界陸上、オリンピックの競歩種目でメダルを手にしたのは初の快挙となった。
 勲功章を受けた小坂さんは、谷井選手の活躍に「今回は日本人トップの成績で入賞することが目標だったが、メダルを獲得してくれた」とあらためて喜びを表し、地元和歌山で開催された国体の晴れ舞台の中での表彰には「とてもうれしく思います」と感慨深げ。今後については「次のリオ、さらに東京(五輪)でメダルが獲得できるように選手ともども頑張っていければ」と決意を新たにしていた。
 勲功章は、日本陸上競技界に功労、功績を残した競技者、指導者に授与される。オリンピック及び世界陸上競技選手権大会入賞者またはアジア競技大会、ユニバーシアード及び世界ジュニア陸上競技選手権大会の金メダリストが対象となる。