先日、日高町生誕の徳本上人ゆかりのそば栽培をスタートさせたという、同町の独自性のある取り組みを紹介したばかりだが、由良町でも興味深いニュースが飛び込んできた。社会面で掲載している通り、詳しくは公表されていないが、由良町花になっているスイセンの花に美容成分が含まれていることが分かったというのだ。今後、これをどう活用していくのか。まだ課題は山積しているが、化粧品などの新しい特産品開発やスイセン栽培を通じた遊休農地の活用など、関係者の期待は大きい。
 特に注目されるのは、美容成分を使った化粧品開発で、化粧水にできるのか、美容クリームにできるのか、これからの話だが、商業ベースで販売していくには、いま町内にあるスイセンの量では全く足りないらしい。だから遊休農地の活用にもつながるという話である。スイセンは比較的栽培が簡単で、高齢者の農業としても普及する可能性がある。しかも、スイセンの花は少ししぼんで収穫しても美容成分があるらしく、これまで通り観賞用として一定の期間楽しむこともできるそうだ。
 そんな夢が膨らむスイセンの花だが、仮に化粧品開発が成功すれば、製造工場を町内に誘致して雇用拡大につなげていくというのはどうだろう。現地で収穫、製造すればコスト削減になるため、製造会社にとってもメリットがあり、それこそ町との「win-win」な関係が築けるはず。
 いずれにしても地方創生が言われている中、地域振興へ注目されるのは他の地域にないオンリーワンの取り組み。二番煎じや三番煎じではダメなのである。スイセンの花が由良町活性化の起爆剤になると期待している。(吉)