犯人は娘の長男だった――。20日未明、御坊市塩屋町北塩屋の無職女性(82)宅で、女性と、娘の団体職員(46)が包丁で刺され重傷を負った事件で、御坊署は同日午前、高校2年の長男(17)を殺人未遂の疑いで逮捕した。長男は当初発見者とされていたが、その後の同署の調べに対し「間違いありません」と犯行を認めた。
 御坊署によると、当初家族の話では午前3時20分ごろ、82歳の女性がトイレに入っていたところ、突然何者かに正面から胸を刺され、さらに寝室で寝ていた46歳の女性がうつ伏せのまま背中を刺された。46歳女性の隣の部屋で寝ていた長男が悲鳴に気づいたとされていた。
 現場は国道42号天田橋南詰めから約100㍍で、家は2階建て。3人で暮らしており、2人を刺したとみられる長さ約30㌢の包丁が落ちていたが、物色した形跡は見つかっておらず強盗などの可能性は低いとみられていた。
 夜が明け、幹線道路沿いで起きた事件に周囲も騒然。近所に住む60代女性は「夕べ、おすそ分けで訪ねたばかり。びっくりしました。朝、病院から帰ったおばあちゃんに会ったら『刺されたんよ』『犯人、誰か分からんのよ』と話していました」と話し、一家と付き合いがあるという60代女性は「まったく気がつきませんでした。朝、家を出てびっくり。みんな優しい人。心配です」と表情をこわばらせていた。