日高川町玄子地内の旧セイコー製作所跡地に、大阪府豊中市に本社を置く浮き桟橋など製造の企業エムケーシー工業㈱(溝手悟代表取締役社長)が進出した。すでに操業を開始しており、12日には溝手社長らが日高川町役場を訪れ、市木久雄町長に「町、地域とともに頑張っていきたい」と決意を示し、すでに3人いる地元雇用についても「受注によって今後も増やしていきたい」と抱負を述べた。
 エムケーシー工業は工業塗装業者として昭和47年から操業、52年に会社を設立。資本金1000万円、正社員39人(5月現在)、売上高約4億5000万円(平成25年10月期)。金属加工にも力を入れ、現在はビルなどの天井裏や地下に電気・電子配線などを収納する金属製ラックや、マリーナやヨットハーバーなどにある水面浮遊式桟橋を主に製造している。工場は豊中、伊丹、滋賀、池田の4カ所にあり、和歌山工場は5カ所目になる。
 同所では、平成3年からセイコー製作所が和歌山工場として操業を行っていたが昨年倒産し、5月末で事業を停止。エムケーシー工業はセイコー製作所の取引先の1つであったことから工場のことを知り、進出することになった。ことし3月に建物を購入し、改修や設備納入、町との調印を行って、今月5日から操業を開始した。
 工場はセイコー製作所のころの建物を活用。敷地面積は1万1734平方㍍、延べ床面積は3800平方㍍で、同社が持つ工場の中では最も広いため、作業面積を多く必要とする浮き桟橋の製造が中心となる。浮き桟橋は全国に高いシェアを持つ海洋施設開発産業業者が主要取引先となっている。
 工場では現在15人が勤務しており、うち3人が地元雇用。今後も受注の増加に合わせて増やしていく方向で、地元の雇用創出に期待がかかっている。
 県議会9月定例会が今月18日開会し、仁坂吉伸知事は約15億4000万円追加の平成27年度一般会計補正予算、青少年の有害刃物所持禁止の条例改正など27件の議案を提出する。
 今回は9月下旬に紀の国わかやま国体があることから、通常より前倒しで開会。補正予算の主な事業は先月の台風11号によるがけ崩れの緊急対策工事費に2900万円、和歌山、奈良、三重の3県合同の移住PRに1100万円など。
 会期は9月3日まで17日間。一般質問は25~28の4日間。