去る17日の台風11号は、当地方でも土砂災害、交通網の混乱などの爪痕を残した。幸い、日高川は氾濫しなかったが、甚大な被害を出した平成23年9月の台風12号と進路が似ているとあって、筆者同様、日高川流域の住民にとっては「再びあの悪夢が...」と眠れぬ夜を過ごした人もいるだろう。
前にも小欄で紹介したが、日高川の水量を調整する旧美山地区の椿山ダムは、リアルタイムでダムの流入量や放流量、水位、上流・下流側の映像が県のホームページで閲覧できる。今回は、台風が通過したあともしつこく雨が続いたため、ダムへの流入量がどんどん増えて、17日午後1時には毎秒1600㌧を超えた。これに伴い放流量も増加。午後3時には毎秒1200㌧を上回った。ちなみに、放流量は1200㌧を上回ると、御坊市藤田町の藤井グラウンドに大きな被害が出ると言われており、今回もそう。ダムの水位については、209.1㍍が限界。17日午後9時には201.21㍍となり、素人判断で「結構危ない?」と不安になったが、流入量が減少してきてひと安心。以後、放流量も減って河川全体の水位が下がり胸をなでおろした。
それにしても、4年前の台風12号を機に、日高川がよく増水する。再び素人の見解だが、椿山ダムは昭和63年の完成以後、もうすぐ30年。増水の要因は、運用方法がどうのこうのと言うより、ダム底にヘドロや土砂が堆積して、本来の貯水能力を発揮できていないためではないかと指摘したい。全国的にも同じ問題を抱えるダムがあり、県はダム底の調査や大規模なしゅんせつをしてはどうか。莫大な費用がかかるが、住民の安全が第一である。 (吉)

