自動車部品のナット等の製造を手がける紀州ファスナーテクノ㈱(印南町古井、中江良一社長)の新しい工場の起工式が28日、進出先の御坊市塩屋町北塩屋の御坊工業団地の同社敷地内で行われた。延床面積1万5815平方㍍を誇る県内有数の生産工場で来年秋に完成、設備の搬入等を経て28年度中の操業を目指す。高い技術力と最新設備で、一層の高品質化を図っていく。
 起工式には設計、施工業者、二階俊博自民党総務会長ら来賓合わせて約70人が出席。印南町の山口八幡神社の岡田朝臣宮司が神事を執り行い、中村裕一県議の発声で乾杯し、工事の安全を祈った。
 式のあと中江社長は、平成25年2月に第1工場、翌26年4月に第2工場が完成したこれまでの経緯や、新しい第3工場は建設費約25億円、28年度中に社員約100人でスタートする計画を説明した上で、「ここまでこれたのも皆さんの協力のおかげ。社員の力、最新の設備、高い技術力で良品質の製品を造っていきたい」と決意を新たにした。二階総務会長は「中江理廣会長は大阪で成功されたが、愛する故郷に帰り、自力でここまで歩んできた立派な事業者で、まさにふるさと創生といえる。日本一の工場になることは間違いないと確信しているし、世界一の工場に仕上げるまでここに集うみんなが力を合わせて協力していこう」と激励した。柏木征夫市長も「素晴らしい技術力でさらなる成長を願っています」とあいさつした。最後は施工の中平建設㈱(湯浅町)の中平孝治代表取締役が「安全第一を心がけ、来年9月に完成させたい」と無事完成を誓った。設計は和歌山市の㈱岡本設計。
 新しい工場は製造工場で、現在古井で行っている機能を移すことになる。第1工場と第2工場では製造した製品の洗浄や表面処理、梱包などを行っており、新工場が完成すればすべて同工業団地内で集約できることになる。