県高校総合体育大会剣道競技の部は11日から14日までの4日間、和歌山ビッグホエールで行われた。日高地方勢では、男子団体で日高が第1シードの桐蔭を破るなどの快進撃を見せ、準優勝と大活躍。今夏は地元開催となるインターハイ(8月3~6日、和歌山ビッグホエール)へ37年ぶり7回目の出場を決めた。
 男子団体には22校が参加。日高は予選リーグで和歌山北を3―0、南部を5―0で破り、準々決勝では1月の新人大会覇者で同大会の準々決勝で涙をのんだ桐蔭に1―0で雪辱を果たし、ベスト4入りを決めた。上位4チームで争われた決勝リーグでは初戦の和歌山東戦こそ0―4で敗れたものの、箕島に4―1、和歌山工に3―1と2連勝して優勝の和歌山東(2勝1引き分け)に次ぐ2勝1敗の成績でインターハイ出場権を見事獲得した。
 決勝リーグ進出がかかる準々決勝。「調子、1本取れる選手、相手との相性」(田中紀行顧問)を考慮し、予選リーグは補欠だった森裕亮選手(2年)を次鋒に抜てき。森選手は「一生懸命頑張るということしか頭になかった」と無心で臨み、中盤すぎに面を先取すると、すぐに胴を取り返されるも延長に入って面を打ち込み、千金のポイントを奪った。中堅の松林陣之丈選手(2年)は今大会の個人戦を制した強豪相手に引き分けと粘り強く戦い、副将、大将の両選手も最後まで踏ん張りきった。
 森選手は負ければインターハイ出場が絶望的となる決勝リーグ2戦目でも0―1で迎えた次鋒戦で延長の末に小手を決め、流れを引き戻す活躍。最終の和歌山工戦の次鋒戦では面2本で快勝し、チームを勢いづけた。インターハイ出場には「県大会では100%の力を発揮できた。うれしいの一言」と喜びを爆発させ、「次も自分の持っている力をすべて出し切りたい」と闘志を燃やした。
 日高男子は、高松大地監督、先鋒・東駿選手(2年)、次鋒・宮西克弥選手(3年)、中堅・松林選手、副将・下出皓大選手(3年)、大将・橋本海斗選手(同)、補欠・森選手、同・細川一騎選手(2年)のメンバーで予選リーグに出場。準々決勝から次鋒のみ入れ替えがあった。田中顧問は「インターハイへの出場はOBの皆さんも喜んでくれ、大変盛り上がっています」と話したうえで、「大会前から『最後の最後までどうなるか分からないのでとにかく気を抜かずに頑張ろう』といっていたが、その通りに頑張ってくれた」と選手たちをたたえた。インターハイへ向けては「まず予選リーグ突破、ベスト16入りを目指し、過去最高成績だった前回出場時のベスト8に近づけるように稽古を積んでいきたい」と一層の飛躍を誓った。
 団体戦はベスト8以上が近畿大会(7月11・12日、京都府)に進出となり、日高男子はインターハイとそろって出場権を得た。インターハイ出場枠は本来男女とも1校だが、今夏は県内開催のため2校となっている。