日高川町の市木久雄町長は17日に再開した議会一般質問の中で、有害鳥獣捕獲報奨金不正受給問題について「今月中に検察審査会へ不起訴処分不服申し立ての申請書を提出する」と報告した。
 原孝文議員が3月中に申請する方向で進めていた町に対し、遅れている要因などを質問。市木町長は「当初は3月中で準備していたが、申し立てする以上『起訴相当』か『不起訴不当』と判断していただくために、写真データなどの精査に時間を要した」などとし、弁護士の添付資料などが整ったため近く申請することを説明。「新たな証拠や証人が出ないと進展は難しいのでは」との再質問には、「写真のデータなど調べ直している」とし、データから新たな不自然な点など洗い出して提出することを説明した。検察審議会は選挙権を有する人の中からくじで選ばれた11人が、検察の判断の善し悪しを審査。「不起訴不当」「起訴相当」の判断が出れば、検察はその事件を再捜査しなければならない。
 不正受給問題は元嘱託職員の男性(昨年3月5日に解雇)が虚偽の書類申請で町から7件分、10万5000円の有害鳥獣捕獲報奨金をだまし取ったとして詐欺容疑で書類送検された問題で、男性は昨年10月31日に不起訴となっている。問題発覚後、町では報奨金の返還を求める方針を固める一方、議会でも百条委員会を設置し、関係者に事情聴取するなどして不正受給疑惑問題の全容解明に当たっていた。県警の発表では、男性はこの7件以外にも不正受給を供述したとされるが、町や議会との話し合いに対して、「何もしていない」と全面否認していた。町では不起訴決定を受け、検察審査会への不服申し立て申請の準備を進めていた。