印南町がホームページで実施している空き家バンクは、依然として家を借りたい・購入したいという利用者登録は着実に増加している一方、空き家の提供が不足しており、需要過多、供給不足となっている。これまで契約が完了した約半分、現在希望している約7割が町外や県外の人となっていることから、空き家をスムーズに提供できるようになれば人口増加に期待でき、町では引き続き空き家の提供を呼びかけていく。
 空き家バンクは、人口減少、定住対策としてホームページなどで平成20年10月から実施。町に空き家情報を登録しておけば、ホームページで間取りや概観写真、賃貸・分譲、価格などが公開され、希望者から問い合わせがきた際、町から紹介を受けられる。また空き家を使いたいという利用者登録をしておけば、希望する物件にマッチした空き家が登録された際に、連絡が入るようになっている。
 利用者登録数は20年度が4人、21年度が10人、22年度が16人、23年度が23人、24年度が14人、25年度が18人、26年度が27人と順調に推移。有効期限が3年となっているため、現在は約50人が有効登録。そのうち約7割は町外となっており、印南への移住に興味を持っている人が多いことがわかる。
 一方で、提供する空き家は20年度2軒、21、22年度に3軒ずつ、23年度に4軒、24年度に4軒、25、26年度に5軒ずつと、利用希望者に対しては圧倒的に不足している状況となっている。
 利用希望者に町外が多いほか、これまでの契約完了数20件のうち約半分も町外。さらにインターネット検索サイトのグーグルやヤフーで「空き家バンク」を探すと、印南町のサイトが上位にくることから、アクセス数が他の自治体の空き家バンクより高いとみられ、今後もさらに多くのアクセスが予想されており、順調に提供できるようになれば人口減少の歯止めに期待できる。
 空き家バンクの物件不足は、同様の取り組みを実施している全国の自治体の共通の課題となっており、印南町でも引き続きさまざまな方法でのPRを検討していく。