精密歯車の製造・開発企業、大和歯車製作㈱=本社東大阪市、津井克巳代表=が、日高川町平川の和歌山工場敷地内で建設を進めていた「和歌山第2工場」が完成した。来月中旬に竣工式を行い、6月の本格稼働を目指す。同社は平成4年6月に旧川辺町が誘致した企業で、工場の増設により事業を拡大。将来的に、今後成長が見込まれる航空機、鉄道、船舶の3分野への本格参入を図る。
 新工場は、航空・車両事業の生産能力の増強を図るため、和歌山工場東側に建設した。一部2階建て、延床面積約3600平方㍍で、1階部分が工場、2階部分は事務所。工場には、一部和歌山工場の設備を移転するほか、最先端の歯車研削盤やNC旋盤等の設備を導入し、焼き入れ(熱処理)の研究施設も併設する。事業費は約17億2400万円。施工は㈱増岡組=本社東京都=、設計は㈱宮本設計=兵庫県宝塚市=。3年間で13人の雇用を予定している。
 既存の和歌山工場は、3万5635平方㍍の敷地内に、延床面積5900平方㍍で建設されている施設。平成4年6月の操業以来、同社の生産拠点として工作機械、一般産業機械をはじめ、印刷機、発電機、船舶、鉄道、航空機など幅広い分野で使われる高品質で高付加価値の精密歯車を製造。多様な設備と高い技術力によって、直径5㍉~3.5㍍まで世界でも類を見ない多くの種類の歯車を製造しており、取引先は川崎重工業㈱、東芝機械㈱など国内メーカーを中心に100社以上。
 同社は資本金3000万円の企業で、平成24年度の売上高は22億1000万円。和歌山工場の従業員は約100人。