選挙の事前調査と出口調査の結果について、おもしろい話をテレビ番組で聞いた。事前調査では「投票の一番の判断材料は?」と問われると「政策」と回答する人が多いのだが、出口調査で同じように聞くと「政策」が減り「人柄」という人がかなり増えるという。
 本紙でも首長選前には事前調査をすることが多いが、結果はやはり「政策」が多数を占める。出口調査を行ったことはないが、候補者の公約と有権者の意向を照らし合わせてみると必ずしもピタリと合致したからといって票になったとは限らないということはある程度分かる。町議選など規模の小さい選挙になればなるほど、あやふやな「人柄」は情勢分析において記者泣かせのファクターだ。
 中央紙の報道で、4、5の両日に大阪市内の有権者を対象に行われた「大阪都構想」についての世論調査が取り上げられていた。結果は反対47.5%、賛成36.7%。3月14、15日の前回調査では賛成43.1%、反対41.2%と拮抗し、賛否の結果でも賛成が上回っていたが、1カ月も経たない間に逆転。反維新、反都構想勢力の活動活発化や、国会欠席問題で維新の会を除名された女性衆院議員が影響を与えたとみられると分析されていた。
 都構想の賛否を問う住民投票は5月17日。現時点では反対が多いようだが、前述の話を持ち出すと必ずしもその通りの結果にならないと予想している。同じ世論調査で都構想を推進する橋下徹大阪市長の支持率が45.1%あり、「支持しない」を若干(1.6ポイント)だが上回っているからだ。政策よりも「橋下人気」でぎりぎり都構想推進派が巻き返すか。いろんな見方をしながら、興味深く「大阪春の陣」を見守っている。 (賀)